帰り道、
夜、プール帰り、
体を動かすことで、
邪気が水に溶けて、
次第に瞑想にも近い時間が流れるようになって、
バラバラで雑音にまみれた心身が削がれ、
統一されていくような感覚になって、
身体が少し軽くなる。
そして、
帰り道、
時間も気にせず、
ゆ~ったり歩いて、
存在を風に泳がせて、
できるだけ我を忘れて、
帰るべき場所に、
帰ることのできる場所に、
自分を待っていてくれる誰かがいる場所に、
ただ帰る。
ゆっくり、
ゆっくり、
まるで、
家に着いてしまうのを
惜しむかのように、
ゆっくり、
ゆっくりと。
家にたどり着くまでの帰り道。
帰れる場所があるからこその
その道中を気ままに泳げる幸福感。
帰り道、
好きな時間。
今はもう、
七色で透明な、
好きな時間。