それでもなお、残るもの
出せたはずの優しさを出し惜しんだこと
持ち味を発揮しないで投げ出したこと
寂しさの裏返しで愛を試すように求め続けたこと
どこまでも渇きながら
湿り気を帯びた後悔の味
幼きに共に佇んだ友との束の間の逢瀬
その存在感と交わす言葉の沁みいる塩梅
半永久的なインパクトで刻まれた君の命、愛
括りきれない揺らぎの連続で
縦横無尽に立ちのぼる余韻
感情を飲み干して君と僕で楽園を
まっさらに引き連れて、また始めよう
ふたりで。
『ふたり』/イトウコウスケ。