考えていた。
のか、
感じていた、のか。
感覚を研ぎ澄ませ、心を静かにする。
美しい波動を受けていることに神経を集中させる。
加速していた時の流れを緩めるかのように、
もっと味わいながら今に在れるように
世界に触れていく。
きっと長年、いや、
産まれてくる前から求めていたに違いない存在を、
この目で捉えてしまったとき、
我が魂に選択の余地はあるというだろうか。
その時、
言葉は影を潜める。
ただ、
ただ、
その懐かしくいとおしい存在に
この身は奪われ、
すべては報われる。