こんなにも空虚なままで
いつまで
どこまで
下から上を茫然と見上げ
微かな残響を鳴らせど
もとの木阿弥
顔で笑い
やわらかな言葉を
呟いてみる
目の前の誰かはのっぺらぼう
昔の偉人の情熱を頼りに
人波に飛び込んで
冷えた体で泳ぐには遠い
せめて 無様でも求めよう
与えておくれ
積年の孤独にその一雫を
生きるに足りるほどに
その熱を
イトウコウスケ。/夕焼け色のほっぺた
春はどこか幻想的で、
昔も未来も今も、
全てがここに同時にあることを思わせる。
桜の花は華々しく咲き誇り、
鮮やかに散り、
潔く緑に明け渡し、
そしてまた巡り、
咲くときに、咲く。
境目は、あるようでない。
すべてを内包しながら、
様変わりして、
調和を添えてる。
あっち側とこっち側が
あるわけじゃないんだろう。
地球が丸い意味も、
諍いが無用なことを諭しているんだろう。
それでも、貴方の声が聴きたい。
あの姿で、あの微笑みで、
また逢えることを、
どこかでずっと、願ってる。
考えていた。
のか、
感じていた、のか。
感覚を研ぎ澄ませ、心を静かにする。
美しい波動を受けていることに神経を集中させる。
加速していた時の流れを緩めるかのように、
もっと味わいながら今に在れるように
世界に触れていく。
きっと長年、いや、
産まれてくる前から求めていたに違いない存在を、
この目で捉えてしまったとき、
我が魂に選択の余地はあるというだろうか。
その時、
言葉は影を潜める。
ただ、
ただ、
その懐かしくいとおしい存在に
この身は奪われ、
すべては報われる。